高コレステロール値は遺伝子異常の場合もある!早期治療が大切!

コレステロール値が高くなる原因に、生まれつき悪玉コレステロール値が高くなる遺伝子異常の病気があります。ここでは家族性高コレステロール血症ついて詳しく説明します。治療方法や生活の注意点も解説していますので参考にしてください。

家族性高コレステロール血症とは

家族性高コレステロール血症とは、生まれつき血液に含まれる脂質(コレステロール、中性脂肪)が多すぎる病気です。そのため、血液中の悪玉コレステロール(LDL)値が異常に高くなり、さまざまな病気を招くリスクがあります。

LDL受容体に先天的異常

家族性高コレステロール血症は、LDL受容体の量が先天的に少ない体質の人に発症します。LDL受容体とは、肝臓に多く存在するタンパク質です。LDL受容体は血液に含まれる悪玉コレステロール(LDL)を取り込み、分解する役割がありますが、家族性高コレステロール血症では、LDL受容体が正常に機能せず、悪玉コレステロール(LDL)が血液中に溜まってしまいます。

ホモ接合体タイプ

親から受け継ぐ遺伝子は、父親と母親の2人分が一組となって子供に伝えられます。LDL受容体の作用に関係する遺伝子の異常が2人の両親にある場合をホモ接合体タイプといいます。

ヘテロ接合体タイプ

家族性高コレステロール血症の遺伝子を片方の親から受け取った場合は、ヘテロ接合体タイプになります。

早期診断、治療が必要

家族性高コレステロール血症は、小さな子供でも血管を傷つけてしまい病気の重症化を招く危険がありますので、早期の診断と治療が必要です。

動脈硬化、心筋梗塞の危険

家族性高コレステロール血症は、若い年代でも動脈硬化が進行することがあります。その結果、20~30代でも心筋梗塞のリスクが高まり命の危険につながります。

家族の病歴

両親や兄弟・姉妹の中に冠動脈疾患を早期発症した人がいる場合は、家族性高コレステロール血症を発症する可能性があります。

総コレステロール300 mg/dl以上

家族性高コレステロール血症では、血液検査の結果に総コレステロール値が成人で300 mg/dl以上、子供で250 mg/dl以上と高い数値が示されます。

初期症状は

 

家族性高コレステロール血症の初期症状では、悪玉コレステロール(LDL)値は高くなりますが、体に感じる症状はありません。気づかないうちに血管にダメージを与えていきます。幼児期は皮膚黄色腫がきっかけで血液検査の結果、家族性高コレステロール血症に気づくこともあります。

治療法はある?

家族性高コレステロール血症の治療には、生活習慣の見直しと薬物療法や施術療法で治療を行います。

根本的治療法はないが進歩している

家族性高コレステロール血症は、遺伝性の病気のため根本的な治療方法はありません。しかし、治療方法の進歩から悪玉コレステロール(LDL)値を下げることができるようになりました。

まずは食事療法で

家族性高コレステロール血症の治療の基本は食事です。脂肪やコレステロールの少ない食事を心がけアルコールは控えましょう。

新薬も出ている薬物療法

家族性高コレステロール血症は、新薬の開発も進み治療方法が飛躍的に進歩しています。2016年に製造販売が承認されたエボロクマブをはじめ、スタチン、エゼチミブ、プログコールなどの薬で治療が行われます。

LDLアフェレーシス(血漿交換療法)

薬物療法を続けても効果が見られない場合は、LDLアフェレーシス(血漿交換療法)が行われます。LDLアフェレーシスとは、人工透析に似た体外循環器を使って血液中の悪玉コレステロール(LDL)を取り除く施術療法です。

施行例があまりない治療法

施行例は少ないですが、薬物療法や施術療法で改善が見られない場合には、次のような治療方法もあげられます。

-肝臓移植

家族性高コレステロール血症の治療は生涯続くものですので、根本的に完治する方法として肝臓移植があります。

-遺伝子治療

遺伝子の異常による家族性高コレステロール血症の治療方法に、遺伝子治療を試みた例が世界にはありますが、まだ良い結果は得られていません。今後どのように発展するのか期待が高まります。

-アポ蛋白Bに対するアンチセンスRNA療法

現在、悪玉コレステロール(LDL)の主要なタンパク質であるアポ蛋白Bの合成をブロックするアンチセンスRNA療法が開発中です。近い将来には日本での臨床試験が期待されています。

日常的に気を付けること

家族性高コレステロール血症の進行は生活習慣の見直しで予防ができます。

脂肪、コレステロールの少ない食事

毎日の食事は、動物性脂肪やコレステロールの少ない食事を心がけ、食物繊維を多く摂りましょう。食事の脂質には、悪玉コレステロール(LDL)を上昇させる飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸を含むラード、ベーコン、鶏皮、牛の油、脂肪の多い乳製品、洋菓子、ココナッツ油などは控えたい食品です。

軽い有酸素運動

運動不足で体力が低下していると動脈硬化が進みやすくなりますので、1日に30程度の軽い有酸素運動を行うことが理想的です。

医師の指導の下で行う

食生活や運動は、医師の指導の下で体調に合った方法を続けることが重要です。自己判断で無理をせず専門家の指示を仰ぎましょう。

実際、どのくらいの確率で起こる?

家族性高コレステロール血症は、これまで日本においては120人程度の患者数が確認されていました。しかし、新たに家族性高コレステロール血症に関わる遺伝子も見つかっており、さらに患者数が増えると考えられています。

ホモ接合体はまれ(100万人に1人)

両親から家族性高コレステロール血症の遺伝子を受け継ぐ、ホモ接合体の発症はまれであり100万人に1人の割合で確認されています。

ヘテロ接合体は500人に1人以上

片方の親から家族性高コレステロール血症の遺伝子を受け取ったヘテロ接合体は、500人に1人以上の割合で発症が確認されています。

まとめ

生まれつきコレステロール値が高い病気を家族性高コレステロール血症といいますが、この病気は動脈硬化や心筋梗塞などを招くこともあり、治療が必要な病気です。遺伝性の病気ですので、根本的な治療方法はありませんが、薬の開発が進み症状は改善をすることができます。家族性高コレステロール血症は早期に治療を開始することが重要です。健康診断などで、高コレステロール血症が見つかったら速やかに専門の医療機関を受診しましょう。